「アニマの器」
古来から、全ての存在に霊魂(アニマ)が宿ると日本では信じられていました。豊かな自然が存在し、その恩恵を受けて来たからです。仮に、多くの人々が大切にする「共有の資産」が存在したとします。「共有の資産」とは、多くの人々が恩恵を受けている存在で有形無形を問いません。
☆★☆━━━━━━━━━━━━━━第88回<<
『ブレイク・マンデー(^^♪』
※ 週の始まりを明るく向かえましょう。※
今週も清々しい気持ちと共に、
「目覚めの一曲」を
ご紹介いたします。
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「あの日君を残し...」
※5週ある月なので、先週は配信をお休みしました。※
先日、天皇皇后両陛下が沖縄に行幸啓(ぎょうこうけい)あそばされました。皇居乾門にて奉迎致しました。沖縄に因んだ曲を選んでみました。是非、歌詞もご覧下さい。
和楽器バンド
風鈴の唄うたい
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https://youtu.be/TNRpLCtQ6nw
歌詞: http://j-lyric.net/artist/a059ad1/l0374dd.html
☆★☆━━━━━━━━━━━━━━第78回<<
「歴史書古事記全訳」武光誠(たけみつまこと)氏著
「上巻 天照大御神と須佐之男命」を読みました。
『週に一度、行きつけの喫茶店で
古事記の読書と内容をまとめています。 』
※ 毎週月曜日早朝更新予定です ※
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『高天原における須佐之男命の乱暴』
★ 須佐之男命の高天原への参上り(まいのぼり)に、疑心を抱いた天照大御神は武装の出で立ちで出迎えました。邪心が無い事を証明するための誓約(うけい)。須佐之男命の持ち物から生まれた御子が女神であることから、異心が無いことが証明されました。今回は「勝佐備」、須佐之男命が勢い余って様々な問題を仕出かします。★
②勝佐備
『天照大御神の営田(みつくだ)の畔離(あはな)ち溝埋め』
『大嘗食し召す殿に糞まり散しき』
誓約で勝った須佐之男命は勢い乗じて、天照大御神が運営される田の畔を壊したり、灌水の妨害行為をなさいました。更に、お米の収穫を祝い御馳走を振舞われる祭殿を排泄物で汚してしまいます。ところが、天照大御神は須佐之男命の行いに対して、お咎めなさいませんでした。「度を越して酒に酔った挙句に醜態を晒したのであろう。」「田となるべき地を畔や溝にしておくのは惜しいと、弟神があのような行動に出たのであろう。」 そのように弟神の悪事を善いことの様にかばい立てするのですが、御暴行はそれでも止まなかったのでした。
勝佐備(かちさび)の「さび」とは、「すさぶ」の約言(やくげん・要約した言葉)で下記の複数の意味があるそうです(阿部國治氏):
a. いよいよすすむ
b. 一方に進み過ぎで支障を生じる
c. 行き過ぎて衰えを生じる
「阿部國治氏は農民救済の為に地下足袋で全国を歩いて回った」と、新釈古事記伝の編者・栗山要氏に篤志家として紹介されています。阿部國治氏はその著書の中で、「須佐之男命が高天原に参上りしたのは、田畑や家の作り方等の生活の手立てを学び、研究する為だった」と、しています。『自分の本文を実現する為に邁進するも、一方に進み過ぎて支障を来した。』 「誓約に勝たれた勢いで進み荒ぶる」と、古事記全釈(植松安氏&大塚竜夫氏共著 pp.69)には説明されています。これが教科書的で、一般的な見解です。そのように、阿部國治氏は須佐之男命を一般的な解釈とは異なる視点で描いています。だからこそ、読み応えを感じてしまいます。
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「古事記」にまつわるお話。
~好奇心の物実~
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『大嘗食し召す殿に糞まり散しき』
大嘗祭や新嘗祭はご存知でしょうか? 新嘗祭(にいなめさい)とは11月23日に催される宮中祭祀のひとつです。天皇陛下が五穀の新穀を天神地祇(てんじんちぎ)に勧め、また、自らもこれを食して、その年の収穫に感謝する目的で行われます(wiki.)。即位の礼の後に初めて行う新嘗祭を大嘗祭と呼ばれ、区別されています。ところが、古事記伝(二)には古代日本社会ではその区別がなかったこと(本居宣長撰・倉野憲治校訂 pp.152)が説明されています。
朝家(ちょうか)と書いて「みかど」と、振り仮名を添えています(本居宣長)。朝家のみならず、一般の家庭に於いても収穫を祝い、天神地祇にお供えしていた様子が描かれています。大嘗とは「おほにへ」と訓み、「にへ」は新饗(にひあへ)の約言(植松安氏&大塚竜夫氏)です。また、饗(あへ)は御馳走をする事を意味します。古代の日本では誰でも、「新穀を以て、神に奉り、人に饗へ、自らも味わった」のです。
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